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シアトル在住 不動産屋の日常あれこれ

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Mariko Mitsui

Author:Mariko Mitsui
東京出身。ご縁があってアメリカ・シアトルにて不動産仲介業を経営、雇われ社長ですが雑用もこなします。在米14年。親業はまだ数年。息子二人、柴犬二匹、夫とシアトル郊外にて在住。

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不動産購入の5年ルール
今日はこんな記事を見かけました。

The 5 year rule for buying a home
不動産購入の5年ルール

記事自体の内容はちょっとお粗末ですが、言いたいことを少しだけ補足したいと思います。

最近、住宅市場の下落指向において、不動産購入の意識が変わりつつあります。ある意味、本来の正しいラインで購入を見極める人が増えてきています。

1.頭金を充分(20%以上)に置く準備をする。
アメリカの場合、ほとんどのローン会社が80%/20%の貸付ルールに従っており、物件価値の80%までの貸付が基本です。
これを、第一ローンといいます。

しかし、20%以上の頭金が置けない場合、他のローン会社と連携し、20%に満たない部分を保証保険(Premium Mortgage Insurance=PMI)を掛けて貸付をするか、または同銀行内であっても、最低頭金率を設け(通常は3-5%から)残りの貸付部分について貸付を可能にします。これを第二ローンといって「20%-最低頭金%=第二ローン額%」で保険料を設定、その保険料も含めた支払いを条件に、20%以下の頭金でも購入を可能にしています。

しかし、当然、その20%に満たない部分の貸付支払い、第二ローンの利率は第一ローンよりも1.5倍ほど高く、決してお徳ではありません。また、金利が変動性、保険料もバカにならず、これを避けるべく、頭金を20%置けるまで購入を見合わせる人も増えてきました。

この記事にもある「自分の身の丈にあった物件を探す」という人が増えてきたのです。

バブルのときはこのからくりを利用して、まずは価格の高騰に歯止めを掛けるべく、少ない資金で購入し、目処が立ったら第二ローンの返済、または物件上昇を利用し、1-2年後にローンの組み換えで、第二ローンで組んでいた残高を丸々、査定価格の8割枠に組み込んでもらい、第一ローンだけにまとめる手法が主流でした。

このタイミングを踏み違えてしまったのが、バブル崩壊、サブプライムローンの発端だったのはまだ記憶に新しいですね。

そういった恐れもあってか、最近は頭金を多く置く人が増えています。

ローンの審査は、買い付け価格の8割の査定が出ればいいので通りやすいですし、何よりもPaymentが安定するというのは今のBuyerさんにとって強みとなるでしょう。

2.一生に近い?住処を探す
日本ほどではありませんが、最近は永く住む家を探す人も増えてきています。
従来の買い替えサイクルは、一軒家で3-7年、コンドミニアムで2-5年でしたが、最近はその倍になっているといっても過言ではありません。

この記事のメイン部分、「5年ルール」ですが、こういった背景も踏まえ「最低5年は住む家を探しましょう。」ということを伝えています。

5年というのは、あらゆる意味で転機を迎えるのですが、例えば、

1.家族の構成が変わる
2.ローンの複利割合がバランスよくなってくる(元金に入る割合が上昇してくる)
3.修繕や大規模なアップグレード等が必要になってくる

などが主な要因です。家族構成が変われば、広いところへ移りたくなるし、また逆に子供が巣立てば、サイズを小さくすることも考える・・・また、大規模な修繕やアップグレードが必要であれば、最低限の修繕のみで、その費用に充てるべく資金を頭金へ運用、新しい家を買い換えるという方も増えてきています。

そういうサイクルをなるべく長く持つことで、不動産価値に変動されない生活をしましょうというもの。

また、ローンの複利計算も同じく、金利が下がると組み換えを頻繁にされる方もいますが、複利計算の原理を理解していないと、ずっと銀行へ上納金を納めているようなもの。最初の4-5年は月々の返済に対して、8割が金利、2割が元金返済。

これを5年以内にリセットを繰り返していると、月々の返済額は減っているものの、借金の減るスピードがリセットされるだけで、実際には組み換えをした意味がない場合も。

買い替えをする際にもこれに影響され、思った以上に手持ち資金が残らなかった、ということがないように、この5年ルールは警告をしているのかもしれません。

ここまで不況が続くと、今更ながら2-3年のスパンで買い替えをしようという人はここ数年、ぐっと減少していますがそれと同時におもしろい現象も起きています。

1.学区と不動産の親密な関係
アメリカでは学区と不動産は常に連動しています。学力のレベルが高い学区は必然と不動産価値が安定、または高騰する傾向にあり、お子さんがいないお客様にも、この学区の意識はある程度、ご理解していただいています。

以前は中学、高校のレベルが重視されていましたが、最近はもっぱら小学校のレベルが注目が。
昔は有名高校だけ抑えておけばよかったのですが、おかげさまで今は、かなりの数の小学校のレベルを把握するまでになり、人気エリアの細分化が始まっています。

2.コンドミニアム・タウンハウス、一戸建て住宅の選択がくっきり
以前は、コンドミニアムからスタートし、タウンハウスから一戸建てと、広さや価格とともにグレードアップしていきましたが、最近はその目的がはっきりしています。

家族の方は最初から一軒家志向が多く、将来家族が増えることも見越し必然と大きな家を必要としています。
コンドミニアム・タウンハウスを選ぶ方は、将来は一軒家に住むという概念があまりなく、このまま永く住むか、投資目的でも転換ができれば・・と考えている方も多くなり、コンドミニアムやタウンハウス・一軒家のどちらでもいい、という人は少なくなりました。

こんな感じで、アメリカでも不動産に対するニーズが少しずつ変わってきています。

何よりも無理をしない、自分のファイナンシャルを把握した人が増えているというのは私にとってもうれしいことです。
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【2011/10/25 19:57】 | Buy | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
決戦は金曜日
先日のドリカム、シアトル公演は惜しくも体調不良と両親の渡米で見逃してしまいました・・。

さて、不動産業界でも「決戦は金曜日」というのが慣わしになっています。これは物件を新しく売り出すタイミングのことですが、全米大手不動産ニュースのinman newsで今日、こんな記事を見かけました。

Best day to list real estate for sale: Friday」by inman news on 10/20/2011 
(金曜日は市場へ載せるベストな日)

既に業界では当たり前のようになっていますが、記事にもあるように理由は以下の通りと推移します。

1.週末に掛けてShowingが見込める。
2.Open Houseもでき、一般の顧客層にもアプローチが出来る。
3.週末の反応を見て向こう、1-2週間の動きが読み取れる。
4.オファーをレビューするまでに週末だからという理由が付けられ、週明けを待ち返事が出来る。

その他にも色々ありますが、私も特別な理由がない限り、金曜日派です。上記の理由に加え、売り出しの準備も以下のようにルーティンとしており、既にマニュアル化されています。

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月:お掃除の日
売主さんには完璧に売れる状態へセットしていただき、掃除・カーペットシャンプーなどの業者をこの日に手配。

火:ステージングの日
インテリアのコーディネイトをしてもらうステジーング会社へセットアップの依頼。

水:写真撮影の日
プロのカメラマンに写真撮影を依頼。

木:広告作成、その他最終セットアップの日
写真の出来上がりを待ち広告の印刷手配、看板設置E Flyer(特定エリアのエージェントへDMをEメールで送れるシステム)の送付準備他。

金:マーケットオン! 
私の信念:これらの準備が完璧な状態ではないと市場へは載せません。一期一会、準備が出来ないうちはお客様に完璧なおもてなしが出来ないのと一緒ですし、一度来たお客様は二度と戻ってきてくれないからです。
何といっても相手は数千万円(数十万ドル)のお買い上げをしていただくお客様です。気持ちよく見ていただくというのは最低限のおもてなしだと思っています。

土~日:Open House 一般公開(インターネットでも集客を予め募ります。)

月:オファーのレビュー(常に出す前からこれをゴールとして意識してます。)
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こちらでもチャートでご案内していますが、とにかく市場へ出す前はアシスタントも総動員で神経もかなり遣います。何か産みだすときってものすごいエネルギーを使いますよね。たまに(というかほぼ毎回)体調を壊します・・。

そのくらいがんばっても、市場のタイミングに載らなければあっさり、干されることもしばしば。

そして市場へ載せるだけがゴールではありません。

チャートにもあるように、訪れるエージェントさんには即座(24時間以内)にFeedbackといって、物件の感想を伺い、その後のマーケティングへ活かせるよう、具体的な感想を聞きます。

価格はどうだったか、中のコンディションは?お客様は何が気になったか・・・などなど。

既にこのときには私もOwnerさんと同じく、物件にかなりの気持ちが入っています。大事な子供を送り出す気持ちになっているところに、時には厳しいFeedbackを伺うとそっか、そんな見方もあるのかと冷静に分析が出来るようになります。

また、該当物件に限らず、そういったありがたいFeedbackは例え成約に結びつかなくても、次のステップでも活かすことが出来ます。

そういった日々のことをReportに書きとめ、週に一度、お客様へお届けしています。これは時期を見て価格の調整をする際に既にお客様へ市場の動きをご理解していただくときに役立てています。

このように、売りに出すといっても私たちは看板を立てて、インターネットにも載せたからと、釣竿を構えているわけではありません。今は餌があっても釣れない市場。

じゃんじゃん泳いでいって、海女さんのように素潜りで獲物を獲得するくらいの勢いではないと、今の市場では生き残れません。

一昔前は、海岸に行ったら砂浜にアワビや伊勢えびが、ずらっと並んでいたこともありましたが、今となっては遠い昔です。きっぱり諦めましょう(涙)。

明日は金曜日。

私もお客様のためにお買い得物件を獲得すべく、特に明日は早朝から市場を見張る予定。

携帯に送られてくる新着物件アラートに目を光らせています。
【2011/10/20 15:17】 | Sale | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
Buyer優位な「切り札」がちりばめられた契約書
大変ご無沙汰していました。Facebookや他の媒体でちょこちょことUpしていると、すっかりこちらもUpした気分になってしまうのは悪い癖ですね。

今日は「Contingency」について少しお話します。

私たちが使っている共通のMLS(Multiple Listing Service)の契約書式は実に100種類以上ありまして、日ごろからその書類を駆使しています。

よく使う書類はその中から20種類くらいなのですが、色々と見ていると面白い契約書がたくさんあります。

その中で、一般的にワシントン州で使われている契約書で「条件付購入」で定められている「Contingency」についてさらっとご説明します。

簡単にいうと、一度書いたオファーのキャンセルが条件付きで出来て、収めた手付金が戻ってくるというものですが、普段使っているものは以下のものが代表的です。

1.Form 17: Seller Disclosure Form 3日間
5ページにも渡り、Ownerさんへ物件の状態を告知する質疑応答があり、その告知に疑問に思ったり、気に入らないことがあれば、そのフォームを受け取ってから3日以内に自由にキャンセルすることが可能。
よく、オファーを書いたけれど、翌朝気が変わったので・・というのでこのContingencyを使ってキャンセルする方も。

2.Form 35 Inspection 7-10日間
インスペクションを定められた期間内(通常は契約が締結してから7-10日間)に行い、購入する物件に想像を超えた欠陥があったり、また売主と修繕の交渉はしてみたものの、自分の思ったとおりの交渉結果に終わらなかったため、契約を破棄できるというもの。これでBack on the Marketといって、再度市場に戻ってきても、新しいBuyerにとってはあまりいい印象ではないので、極力SellerさんはInspectionのリクエストでは協力するのが最近の傾向。

市場がバブルのときは、Buyerが気に入らないことを言ってきても、すぐに次のBuyerが出てきたので、ここで強気にでるSellerさんも多かったのですが、今はそういった風潮ではないので、避けています。

3.Form 22A Financial Contingency 5-30日間
ローンの申請で何かあった場合、契約を破棄することができるものです。このFinancial Contingencyにはいくつかステップがあります。

A) ローン仮申請を締結から5日以内に済ませる。また、ローン会社はこの5日以内に決めたところ以外になる場合、必ずSellerからの承諾が必要。(ローン会社をコロコロ変えてプロセスが遅れるのを防ぐため。)

B) アプライザル(第三者の不動産価値調査士)で購入価格より低く評価された場合、このContingencyで契約をキャンセルできるか、Sellerと再度、価格の交渉をし、双方が納得すれば契約を続行できる。

C) これらAーB)を含めたローンの最終アプローバルが30日以内に終わらない場合、ローンの申請不可により契約を破棄することが出来る。また、30日を過ぎれば、Sellerからも契約の破棄、またはFinancial Contingencyの放棄の2者選択を迫ることができ、放棄した場合は、Buyerは以後、ローンの申請で過失があったとしても、契約を遂行する義務がある。万が一、契約が遂行できない場合は、手付金を没収される恐れがある。

上記が大体、代表的なContingencyでよく市場へ戻ってくるのは、これらの理由で戻ってくることがほとんどです。

ちなみに最近の傾向では、6件に1件、実に16-17%くらいの割合で、Back on the Marketになっているそうです。

その他にもこんなContingencyがあります。

1.Neighborhood Contingency 3-5日間
近所の様子、学区のリサーチ、その他エリアのリサーチをした結果、自分の望む環境ではなかった場合に契約をキャンセルできる。

2. Home Owner Association Contingency 7-10日間
コミュニティ内の自治会の規定、予算などを調査し、自分の望む環境ではなかった場合に契約のキャンセルができる。

3.Resale Certificate Contingency 7-10日間
上記に同じく、これはコンドミニアムなどのアソシエーションから発行される建物内の規定、予算、その他現在、修繕で問題になっている部分で納得が出来ない場合は、契約のキャンセルができる。

私が過去にこれを使ってキャンセルした例として、建物全体が一般的なローンの降りる物件ではなかった(売却時に困難)、最近の集会で話し合われた内容中、建物の不具合がありあまりにも大規模すぎたので、将来Buyerに掛かる負担を考えキャンセル、また修繕に備えて貯蓄すべき管理費が異常に少ない等、このCertificateを見ないとわからないことが結構ありました。

4.Title Contingency 5日間
登記上、他の抵当権があったり、その他登記上の問題がある場合はキャンセルすることができる。
ただし、ローンを組む場合は、タイトルのクリア(抵当権のクリア)が条件なので、このContingencyとFinancialはほぼ同様に扱われる。

5.Pending Sale Contingency 20-30日間
購入者の自宅も売却の契約中で、この引渡しが終わるのを条件とし、購入の契約をするもの。
これから売りに出し、まだBuyerがつくかわからない状態よりも、契約中というのが強みとなります。ただ、共倒れになる危険性も大いにあるので、売主側は先方の売買契約書をReviewする権利もあります。

以上がSmall Contingenciesといわれるものですが、こうしてみると、契約が締結してから10日間前後にBuyerがキャンセルできる切り札が集中しているため、オファーをもらって契約が締結したとしても、最初の1-2週間は実は、眠れない日々が続くこともあります。(<今、まさにその状態。)

こうしてみると、売買契約はBuyerにとっても優位なんですよね。唯一、Sellerが契約破棄を申請できるのは、Financial Contingencyのタイミングで、それでも二者選択のうち、Buyerが契約のTerminationを申し出たときだけ。

市場がバブルのときは、このContingencyをなるべく削って、Buyerがかなりのリスクを背負ってでも買い付けする、という異常な事態が続いていました。

つい先日も、オファーが5つ殺到したケースがあり、私は断腸の思いで、No Inspection、No Financial(Cash Buyerさんだったため)とほとんどContingencyなし、さらに価格も上乗せした最強オファーを送りましたが、あっさり却下・・!

あれ以上の条件はなかったはずなので、価格で負けてしまったということになります。

Seller側からみると、オファーが来たときにはこれらのContingencyがどれだけ付いているかで、Buyerが本気で買い付けをしているか、透きあらば契約から逃げようとしているかが、一目瞭然でわかります。

場合によって折り合わない場合は、契約を取らない場合もあります。これだけの期間を散々、ホールドさせられて後で気に入らないからと戻されたころには、既に市場が変わっているリスクもあるからです。

というわけで、オファーが来たからといって手放しで喜べるわけではなく、価格だけでなく、これらのContingencyの整理・期間の交渉をし、望ましい契約の形になった場合のみ、契約を締結します。

契約締結から引渡しまでのプロセスはこちらでも詳しくご説明しています。ご参考までに。
【2011/10/17 20:32】 | Business | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑

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